バウムクーヘン~意外と知らないシリーズ7~

今までは生菓子中心でしたが、焼き菓子のご紹介。

ドイツのお菓子といえばと聞くと、間違いなく上位にくるのがこれ、バウムクーヘンです。

昔は比較的水分が少なくシンプルなものが多かったですが、今ではしっとりしたもの、チョコや糖、フルーツ系のアレンジがしてあるものなど、種類が多くて美味しくて大好きなお菓子です。

日本でもおなじみですが、森が大好きといわれるドイツ人にとって、バウムクーヘンはまさにソウルフードといえるでしょう。その名前を和訳すると「木のお菓子」。木の年輪に見えることから長寿繁栄のお菓子ともされていて、ドイツではお菓子の王様という別名があるほどです。


(写真はクラブハリエさんのバウムクーヘン)

この名前は、見た目はもちろんですが、バウムクーヘンを焼く時の芯棒に樫の木が使われていたことにも由来します。

芯棒というのはバウムクーヘンを焼くときに芯となるもの。
ちくわや、きりたんぽは竹を芯棒とすることが多いですが、ドイツでは樫の木だったわけです。

バウムクーヘンが層状になっているのは、芯になる棒の周りに、生地をつけては焼き、つけては焼くというのを繰り返すのです。
つまり、あの層は生地をつけて焼いた回数と同じになるんですね。

その作り方の特徴からバウムクーヘン用の機械は完全に専門の機械。普通のオーブンでは作れません。

だから業務用のものはお値段が数百万以上もするといわれています。
小さめのものでも百万円くらいします。

個人店のドイツ菓子店ではお値段・大きさの両面から導入がなかなか難しいというお菓子屋さん泣かせでもあります。

ドイツのお菓子組合ではバウムクーヘンがシンボルマークになっていて、これが作れるようになって初めて、一人前のお菓子職人と認められるとまで言われています。

というのも、見た目はシンプルなお菓子ではありますが、実際には焼けた層の色やバランス、生地の独自性などお店の個性が非常に現れる一品なんです。

歴史は紀元前といわれていますが、現在の形になったのは18世紀ごろ。そして日本でのバウムクーヘンは第1次世界大戦後に、ドイツ菓子職人であるカール・ユーハイムさんによって作られました。

だから今では日本で多くの店舗を見かけるユーハイム(JUCHHEIM)の看板商品の一つに、バウムクーヘンがあります。

もちろん、ほかの洋菓子店やドイツ菓子専門店、通販など様々な場所で買うことができます。ちょっとしたおやつタイムにぜひ食べてみてください。