コンポート

果物にひと手間加えて、そのまま食べたり、ケーキなどの具にするときに使う技法「コンポート」。わかりやすく言うと果物を砂糖で軽く煮ることです。

イギリスではプリザーヴなんて言われるこの技法ですが、野菜だとピクルスもこの仲間とされています。

果物の保存法として最も一般的なのがジャムだと思います。今はお店で買う方が大半だと思います(私もそうです)が、ジャムと言ったら欧州では家庭ごとに手作りされるのが一般的であり、同様にコンポートも食材の保存法として、また家庭の味として親しまれていました。

いまでは生で美味しい果物もコンポートにすることはありますが、昔はそのままでは甘みが足らないものをお砂糖と一緒に煮て食べていたんです。酸味が多い果物はお砂糖で甘くなるだけでなく、加熱することによってとげとげしさがなくなるという良さもあるんです。

ジャムとコンポートの違いですが、ジャムは果物と同じくらいのお砂糖という大量の砂糖と一緒にしっかりと煮詰めますが、コンポートはあくまで砂糖と煮ただけで煮詰めません。ジャムと比べて水分が多いコンポートは生よりも保存性が高いものの、ジャムほど保存がきくわけではないので注意してください。

ジャムより煮ないことで形が崩れにくいですし、みずみずしさも損ないにくいのが非常にいい点ですね。リンゴや洋ナシ、桃に苺など様々な果物にマッチする素晴らしい加工方法です。

そのまま食べても美味しいですし、ヨーグルトやパン、あと紅茶と一緒に楽しむのも非常に相性がいいです。